めまいについて
めまいの原因
めまい症状の半分くらい、40~55% は
良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、メニエル病などの末梢性前庭障害と言われています。
10〜25%が不安障害(特にパニック発作)や、うつ病などの精神疾患。
5%が脳血管障害、腫瘍(聴神経腫瘍)、片頭痛と多発性硬化症、その他。
2〜16%が前失神。ほとんどが姿勢の変化で起こり、脱水や自律神経機能異常(起立性低血圧など)
1〜15%は高齢者に多い感覚障害(視覚障害、ニューロぱちー、前庭障害など)が組み合わさり引き起こされる平衡障害。
その他、薬物乱用、代謝疾患、肝性脳症、感染症、高血圧、外傷、貧血、
アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、内分泌疾患などがあります。
高齢者は原因が複数ある場合があります。


耳の構造
耳の一番奥、内耳にはバランスを感知する前庭、音を感知する蝸牛があります。蝸牛に障害があると音が聞こえにくくなり、前庭に障害があるとめまいが起きてきます。実は、めまいの原因で最も多いのがこの前庭の障害なのです。
前庭の上には、回る感覚(回転加速度)を感知する三半規管があり、前庭には身体の傾き(垂直水平加速度)を感知する耳石があります。三半規管と耳石がめまいに非常に関係しているところになります。
前庭の3つの反射
・前庭動眼反射
→頭が動いた時に頭の動きとは反対に眼球が動く
・前庭自律神経反射
→立ち上がったときに血圧を上げて脳に血流を送る反射
乗り物酔いはこの反射の異常
・前庭脊髄反射
→バランスを崩しても手足を動かして体勢を整える反射
頭が動いていても真っ直ぐ歩いたり運動ができる
体が正常に動かせるのは上記3つの反射、
神経のネットワークのおかげ





頸性めまい
様々な原因から起こるめまいですが、字の如く、頚部(首)が問題となって現れるめまい。
① 頚部交感神経の障害
首の椎骨動脈周辺の交感神経が頚椎の変形が元で、
活動が亢進して起こると言われています。
② 頚部固有受容器の障害
首の筋肉の過剰な緊張状態で、筋肉内の筋紡錘
という固有感覚受容器が緊張状態となり
起こると言われています。
③ 椎骨動脈循環の障害
首の骨に沿って走行している椎骨動脈が、
姿勢不良により圧迫されることで循環循環不全を起こし
めまいを起こすと言われています。
メカノレセプター
筋・腱・関節包・関節靭帯に存在していて、特に足裏に多く分布している。圧の強さを感知し、バランスを崩さないように身体の傾きや姿勢を制御しているセンサー。
加齢、脳血管障害、末梢神経障害、足底病変でメカノレセプターの数が減少し、神経の機能、感受性が低下していく。
一般的には足裏の刺激や足底の運動療法を用いて機能回復を目指します。
そうして、体性感覚(固有感覚)からの入力で前庭機能低下や視覚異常を補完することができると言われています。
当院では運動療法と、鍼灸、特にお灸による足底の刺激を行い、さらに、日常的にしっかりとバランスの取れた足底を作るために、3点バランスインソールをお勧めしています。





なぜめまいに鍼灸/整体なのか
後頭下筋群と周囲の経穴
鍼灸は首だけに鍼をする訳では無く、手足や頭部、肩背部などに刺激をしていくのですが、どうしてめまいに効くのか。身体の各部位の鍼灸刺激が前庭神経核や体性感覚に入力され、視床下部に届くことで自律神経の調節を行なっているということになります。内耳の血流改善、聴覚野機能調節、姿勢制御機能向上が促され、前庭機能異常の是正、バランス安定化につながります。
施術において重要な場所は、後頭下筋群(頭蓋骨と頚椎を支えている筋肉、姿勢制御に深く関わっている。固有感覚受容器がたくさんある)や胸鎖乳突筋(椎骨動脈の血流改善)です。もちろん肩や背中の凝り、手足のツボも大切ですので身体全体を診て、しっかりと施術していきます。

めまい症状でご来院する方は、こちらの質問票をご記入してお持ちください。 めまい質問 DHI.pdf